この悲しみをだれにいえばいいんですか。
心が冷えて呼吸が浅く、狭い四角の胸囲のなかに入れ込まれている。べこりと凹んだ箱のなかに。
だれかだれかだれか。
じぶんにはだれものこりはしなかったのかな。どこできりはなされちゃったのかな。
わたしひとりで生きるなんてこわいこわいことなのに。
思考がまわるそのやり方には見知ったパターンがある。
さびしい。
ゆめをみた。
わたしにとってのこわさは他のひとにとってのこわさじゃなくて、まわりはどんどんすすんでいく。
あぁ、よく思うこと。じぶんの軌跡をつねにだれかになぞっていてほしい。遠い町の夕陽、網膜にうつる景色が、たったひとりのためのものであることが、わたしにはひどくこたえるのです。わたしの目にうつる景色が、同時にあなたの目にうつる景色であればいいのに。
よるべない……。とくに冷えたこの夜においては。