今年の青春3選(sparkling)

季刊C12 vol.3

 どうもこんばんは。青春ですねぇ⤴︎。私からは去年自分がこの寮で経験した青春の名場面3選をお送りします(^^)🎵 私は中高の頃 自分が存在しているということが耐えがたく、周囲の人間と関わらなければならない恐怖に絶望して真っ暗どん底のみみず生活、居場所がなくてずっと身体が強張り緊張する戦いの日々にあり、勉強面に関してもドMかというほど学習の利かない受験勉強を繰り返して身を潰していたのでした(二浪)。ああ、無情……。美しい生の実感が欲しい、あまりに絶望すぎた!といった振るわぬ人生だったので、熊野寮の入寮面接資料にも青春がしたいです、、、と記入したぐらいでした。はたして寮に入ったのは大英断でした!過去の自分からすると信じがたいことに、ここでは寮生たちとどこを切っても走馬灯といっためくるめく青春金太郎飴のような充実の日々を送ることができたんですねぇ⤴︎。それでは心に刻まれた青春のページ、どぞ!

・4月1日、入寮してすぐのとある夜のこと。談話室で先輩たちが映画そろそろ行く?という話をしており、その場にいた自分を含む新入寮生も行きます行きますとついていくことになったのでした。夜8時くらいに急に転がってきた話で、こんな時間に思いつきで映画館に行っちゃってもいいんだと驚きでした。観ることになった映画は「哀れなるものたち」という映画、文学的でかなり攻めた内容のもの(後で先輩たちが新入寮生にみせるべき映画じゃなかったね……って言ってました笑)。夜中みんなで自転車にのって烏丸の閑静な映画館へ向かう。チャリを漕ぐ先輩たちや同期の後ろ姿を追いながら、私の心は未知の振動で細かくうちふるえていたのでした!

 夜の匂いと疾走感。文化的な喜びを一緒に味わい求められる仲間がいる環境についにたどり着いたんだということへの喜び。これまでの一人孤独で、自分が何を求めていてどこにいたらそれが見つかるのか分からなかった人生が一区切りされ、ここにいたらなにか素敵なものがたくさん見つかるに違いないという環境に来れた、言語化はしなかったまでも心のどこかでずっとぼんやり憧れていた環境にようやくたどり着けたんだということへの心からの歓喜が、音楽のようにして私の精神や身体に流れていました。夜の静謐な空気と街灯が燈る京都市街の風景。気の流れが変わり新たな生活が幕を開けたことを感じ取ったのでした。

 駐輪場にチャリをとめて映画館に入り、シアタールームに入る前に新入寮生ということで先輩から自販機で飲み物を奢ってもらいました。数ある中で私が選んだのは緑色のスプライト缶。だってこれが一番青春っぽいんだもん。夜に自転車を漕ぐ先輩たちの後ろ姿。あれが私の原初的な青春のイメージです。

・6月8日大文字コンパ、トラックの荷台。

 大文字コンパというのは初夏に行われる文化部恒例企画で、お盆五山送り火がなされることで有名な大文字山にみんなで登って頂上でお肉焼いちゃお~~よ!というコンパです。多くの人は山のふもとまで徒歩で向かったのですが、肉を焼くために必要な物資を搬入するためにトラックが一台駆り出されており、誰か荷台に乗らない?という声かけがあったので私は思いきって手を上げたのでした(普段はそんなことしないのだけど)。トラックの荷台にえいやと飛び乗り、目の前に座っているのは髪の色が左右ピンクと白で分かれている一回生のお友達。自分も彼もくまのまつりで買った寮生お馴染みのド派手タイパンツをはいていました。生命力に満ち溢れた初夏の世界はとても色鮮やか。車が走り出すと景色はみるみる後方へと流れ、風がとっても気持ちいい。この日はだいぶ暑くて私は氷を一粒手に溶かしもっていました。トラックの荷台に乗るのなんて幼い頃ぶりだよなぁ。道中は友達と一緒に、あの店おしゃれだね~とかあのおじさんさっきもいたよね、次もいたら挨拶しようよとか、目の前に一瞬ひるがえる景色を取り上げてぺちゃぺちゃお喋りしていました。

 その友達はのびのびと柔軟でいて強い自分の認識をもっているムードメーカーな感じの子で、私が周囲に気圧され(過去の自分がそうであったように)大人しくしていようと決めこんだとき、よく目敏く感づいてどうしたの一緒にやろうぜと声をかけてくれるような子でした。大文字コンパの時も私がトラックの荷台に乗ろうと決心したのは先に彼がいたからだし、その他の色んな場面で私の青春が広がったのは彼のおかげです。

・寮祭準備の日々と寮祭ライブ。

 このころは自分の命を燃やすことを信条にしていた時期でした。それというのも自分の中にある拭いきれない虚しさを消したいからっていうネガティブな理由でした。寮祭の準備にあたって自分は中心的な役割はしなかったけれど受験期以上に命を燃やせたなと思っています。発狂しながら寮祭とはの文章を書いて談話室で寝落ちしたり、昼夜逆転して授業に行けずシャワーを最後にいつ浴びたかすぐには思い出せないみたいな。他の人ならもっとサクサク進捗を生めていただろうなーとは思うけれど、中高仕事経験を積んでない人間としてはがんばったんじゃないのと思うし、自分たちの手でプロジェクトを展開していくことの楽しさや今後の自分の課題や長所、思いつめすぎる自分の認知の歪みとかを知ることができました。命を燃やしているかどうかはその人の主観だけど、相対評価をすると自分以上に仕事ができてより大きな炎となって命を燃やしている人間がいて、そういう人たちと自分を比べてよく落ち込んでいました。でも仲間たちが鬼気迫り頑張っているときの艶やかな生命力の美しさが好きでした。いい経験でした。

 寮祭ライブについて。自分は3つのバンドで歌ったのですが、上手い下手はさておき(もっと練習できたなという反省はあります)寮祭ライブ2日目3日目のトリでステージ上にバンド仲間と一緒にいて、まるごとの自分がよろこび楽しさでいっぱいになっている状態、それを周りも受け入れてくれて会場全体が生命力のまま一つになって揺れているような状態が激アツでした。普段私は寮のライブを聴きにいっても恥ずかしくて音楽に合わせておどったりはせず隅っこにいるのですが、ステージの上だと色とりどりの音楽の粒々の渦中にいてリズムをとってしまうしにこにこみんなと一緒になれます。ステージの上ってやっぱり心地いいし気持ちいいなとなりました。去年の10月ボーカルしなよと声をかけてくれた一回生の友達には感謝がたえません。ありがとう。

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