2024/9/29 『ガリガリ通信 俺のガッツリはあいつのさっぱり』

C12文芸部

 「ああ、今日はだいぶ頑張ったぞ」と思っても、案外それは他人が平常運転でやっていることだったりする。だからといって、そのことに落ち込む必要はないのだが。

 実は、2年前と比べて、7㎏も体重が落ちてしまった。このままのペースで行くと、社会人生活もそろそろ慣れてきましたか?と言われるぐらいの年頃で質量が0になってしまう、この宇宙から存在が消滅してしまう、俺の人生はまだ始まったばかりなのに、みたいなことが起きてしまうのではないかと不安である。そこで、物理的に軽いが気分的に重い、そんなややこしい腰をよいしょと上げて、太ることを決意した。

 折よく帰省していて食費の心配はなかったから、ここで決めるとばかりに実家にあった米を炊いた。世は米騒動だというが、そんなことはこちらの知ったことではない。夕食では、痩身の憂いに任せて、ご飯を3回もおかわりしてやった。よし、今日はかなり食べたぞ、自分は太る才能があるなと思いながら、食後はスマホでyoutubeを見た。ホーム欄をスクロールすると、『ジャンボの朝ごはん(松屋風味)』という動画が現れた。芸人のジャンボたかおが、どんぶりいっぱいの白米に卵、ソーセージ、チーズを所狭しとのせ、松屋のたれをかけたものを朝から食らう、という動画だった。動画視聴後、かなりのデブ活をしてやったぜという自負はもはや消え失せ、これからは謙虚にいこうという気持ちになった。だって、俺のガッツリはジャンボの朝ご飯以下だったのだから。

赫裸々亭たらく

室町時代でいう数寄者。現代でいうヲタク。水より凝固点が低いビールは、冷凍庫で冷やすと凍る一歩手前の最高の冷たさで飲めるよ、と理学部の先輩に教えてもらったので試したら、ガチガチに凍ってました。

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